ソニックラボがマルチチェイン財団の清算命令を勝ち取る

1か月前
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シンガポール高等法院の判決

シンガポール高等法院は、2023年に発生したハッキングで盗まれた資金を回収するため、マルチチェイン財団を清算するようソニックラボの申し立てを認める判決を下しました。5月9日の判断において、クエック・ミーン・ラック判事は、ソニックラボが元ファントム財団から改名したことを踏まえ、マルチチェインの破産を宣告し、国際的な監査・税務・アドバイザリーサービスを提供するKPMGから清算人を任命しました。

ソニックラボの声明

ソニックラボのCEOであるマイケル・コンは、5月14日のXへの声明で、レイヤー1ソニックブロックチェーンのチームが元従業員の「完全に非協力的」かつ「被害者から隠れていた」行動を踏まえ、マルチチェインを強制清算する訴訟を起こさざるを得なかったと述べています。

「今後、清算人が他の関係者と協力し、法的手続きを進めることで、最終的にはユーザーに返還されるべき資金を取得するプロセスが始まることを期待しています。」

マルチチェイン財団のハッキング被害

2023年7月、マルチチェイン財団は異常な資金流出を経験し、後にそれがハッキングによるものであると確認されました。ファントムやイーサリアム、BNB、クロノス、ポリゴンを含む複数のチェーンで資産が失われ、ブロックチェーンセキュリティ企業のベオシンとファントムは、2023年8月の報告において、全てのチェーンでの総損失が少なくとも2億1000万ドルに達すると推定しています。

法律上の勝利とその後の手続き

法律上の勝利に続く清算手続きについて、シンガポール高等法院は2024年1月、ソニックラボが契約違反、詐欺的虚偽表示、及びクロスチェーンプロトコルの失敗に関して1億2200万ドルの資金を失ったとする主張に基づく初期判断を下しました。この判決を受け、ソニックラボは2024年3月にマルチチェイン財団の清算を請願し、米国のチャプター7破産に相当する清算人の任命を求めました。

今後の展望

ソニックラボはこの法律上の勝利を活用し、マルチチェインハッキングの他の被害者が損失の請求を提出するための道を切り開く計画があることを示唆しています。マルチチェインは運営資金の不足により2024年7月に停止し、そのCEOであるZhaojunが中国警察に拘束された後、事業を停止しました。