オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の新たな動き
オーストラリアの企業規制当局であるオーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、暗号企業Block Earnerに有利な判決に対し、高等裁判所への特別許可を求めています。これは、デジタル資産利回り商品の地位に関する法的な争いを激化させるものとされています。
ASICの求める明確性
ASICは、同高等裁判所に対し、利息を生む商品や資産交換商品の取り扱いを会社法に基づいて明確にするよう求めています。
「金融商品に関する定義は広範かつ技術的に中立で策定されています。ASICはこのことを明確にすることが公共の利益にかなうと考えています。」
この明確さは、暗号資産が関与しているかどうかにかかわらず、すべての金融商品やサービスに適用されるため重要です。
上訴に向けた要件
オーストラリア高等裁判所への上訴には特別許可が必要で、この許可は重要な法律問題や公共の利益に関わる事項においてのみ付与されます。そのため、上訴は自動的には審理されません。
このケースでは、ASICはまず裁判所の許可を得る必要があります。4月には、連邦最高裁判所がBlock Earnerに対する以前の判断を覆し、ASICが「Earner」という固定利回りの暗号製品を金融サービスライセンスなしに提供したと主張しました。
Block Earnerの反応と今後の展望
しかし、連邦最高裁は現行法の下ではこの提供が金融商品には該当しないとの判断を下しました。これは、ASICが暗号サービスを従来の金融と同じ枠組みで規制しようとする努力に対する逆風となりました。
この事件は、2024年2月に先の連邦裁判所の判決を受けて裁判所に持ち込まれました。この判決では、Block Earnerが2022年3月から11月の間にEarner製品を提供した際に無許可の行為があったとされています。しかし、裁判所はBlock Earnerの変動利回り商品「Access」に対するASICの主張を却下し、6月には同社に対する罰金を免除しました。
その後、この決定はASICによって上訴され、Block Earnerによって反上訴が行われ、2025年4月にはさらに連邦最高裁の判決が下される予定です。Block Earnerは、Web3 Ventures Pty Ltdの取引名であり、製品を終了させるとともに、再発売の計画はないと述べています。
CEOの見解と今後の対応
同社は、自社が提供する製品は単に顧客が固定条件で暗号を融資し、利息を受け取ることを可能にしたものであり、資金をプールしたり利用者にビジネスリスクを負わせたりするものではないと主張しています。
「私たちは、現代的な製品群があまり現代的でない規制環境に適合するよう、最初から努めてきました。」
とBlock EarnerのCEO兼共同創設者であるチャーリー・カラボガ氏は4月に述べています。高等裁判所は、ASICの申請を考慮する日時をまだ設定していません。DecryptはBlock Earnerに対するコメントを求めています。