Bitwiseが唯一BTCアドレスを開示した企業である理由とは?他社はなぜ追随しないのか?

4週間前
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企業のビットコイン保有状況

近年、ビットコインを中心とした企業が増加傾向にあり、さらには他の業界の企業もインフレ対策としてビットコイントレジャーを設定するケースが増えています。しかし、これらの企業のほとんどはビットコインアドレスを開示していません。なぜ企業がアドレスを公開することにためらいを見せているのでしょうか?また、実際に所有しているとされるビットコインを保有していない可能性があるのでしょうか。

Bitwiseの歴史的な一歩

2024年1月24日、Bitwiseは自社の現物ビットコインETF(BITB)のアドレスを公開し、業界において歴史的な一歩を踏み出しました。これにより、誰もがBITBの保有資産とそのフローをブロックチェーン上で直接確認できるようになります。この透明性は、ビットコインの精神に根ざした重要な要素です。

Bitwiseはこの開示によって、懐疑的な視点を持つ人々が同社の資産やその実体について疑念を抱く余地を排除しました。ブロックチェーンは全ての取引と関与者を見える化する設計となっており、この透明性はビットコインネットワークそのものが持つ特性とも一致します。

企業の透明性と期待

Bitwiseが最大のビットコイン保有者の一つであるため、他の企業もこのトレンドに追随し、自らのトレジャリーを透明にするのではないかという期待もありましたが、今のところそのような動きは見られていません。実際、Bitwiseがアドレスを開示してから約1年半が経過しますが、他のビットコイン保有企業は依然としてそれに倣っていません。

『ビッグビットコインブック』の共著者であるFred Krueger氏は、X(旧Twitter)でBitwiseに触れながら、BTCアドレスの開示方法について提案を行いました。Krueger氏は、Bitwiseがアドレスを開示するだけでは不十分であり、実際にプライベートキーを制御していることを証明する署名メッセージが公開されるべきだと指摘しています。

彼は、アドレスを一つだけ公開するのではなく、資金の移動に伴い複数のアドレスを提示する必要があるとも述べています。また、Krueger氏は、量子攻撃に対しても考慮し、公開されるアドレスの管理に注意が必要であると警鐘を鳴らしました。

透明性の欠如と疑念の声

加えて、Krueger氏は第三者による監査を通じて、アドレスの真偽と妥当性を確認することも提案しています。このような透明性の欠如は、企業に対してビットコインを秘密裏にキャッシュアウトする余地を与え、時に企業の誠実性に疑問を投げかける要因となり得ます。現在、企業が保有するビットコインの実態に疑念を持つ声は高まっています。

例えば、2025年5月20日現在において、企業Strategyは57万BTC以上を所有しており、これは企業の中で最も多い保有量となっています。しかし、同社がビットコイン戦略に関して不適切な発言をしたとして投資家グループから集団訴訟を起こされています。このような状況から見ても、透明性の向上は問題発生を未然に防ぐ手段となり得るでしょう。

さらに、定期的にビットコインを購入している日本の企業Metaplanetは、現在7,800BTCを保有しているものの、Bitwise同様にアドレス情報を公開していません。こうした状況を踏まえると、アドレス開示に慎重になる企業が多い理由が見えてきます。市場における透明性を高めるためには、企業・機関ともにより積極的な情報開示が求められるのかもしれません。