Ledgerが新たなオフラインプライベートキー回復ツール「Ledger Recovery Key」を発表

2か月前
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Ledgerの新しい回復ツール

Ledgerは、ユーザーが暗号通貨ウォレットへのアクセスを回復できるよう、クラウドベースのサービスや個人データに依存しないオフラインのプライベートキー回復ツールを導入しました。この「Ledger Recovery Key」は、Ledger FlexおよびLedger StaxのユーザーがNFC接続のスマートカードにプライベートキーを保存できるオフラインの物理的な回復ツールです。

LedgerはCointelegraphに対して、「Ledger Recover」とは異なり、Ledger Recovery Keyは常にオフラインで自身のPINによって保護されると述べました。

Ledger Recoverは回復フレーズの暗号化された断片をクラウドに保存するため、利用には本人確認や個人情報の収集が必要です。ユーザーはLedger Recovery Keyを使ってスマートカードをタップし、PINを入力することで、資産へのアクセスを簡単に回復できます。このツールは、NFC接続のLedger FlexおよびLedger Staxウォレット専用に設計されており、安全なNFCワイヤレスチャネルを通じてLedgerデバイスに直接接続できるため、仲介者は不要です。

セキュリティと透明性

さらに、LedgerはRecovery KeyがSecure Element上に構築されており、これはLedgerウォレットデバイスの主要なセキュリティ層であると述べています。Ledgerの透明性を誓う一環として、Recovery KeyのアプリケーションコードはGitHubにオープンソースとして公開され、独自のホワイトペーパーも用意されています。

このツールは、Ledgerのホワイトハッカーチーム「Donjon」による内部セキュリティテストを経て、サイバーセキュリティ会社「Synacktiv」による外部監査も実施されています。

LedgerのCTO、Charles Guillemetは、「セキュリティ研究者や業界リーダーから非常に好意的なフィードバックを受けており、発表前にさらに多くのフィードバックを得ることを楽しみにしています」と述べました。

自己管理の利便性とリスク

Ledgerは自己管理の利便性を向上させることを目的としたこの新たな回復ツールにより、ユーザーが第3者プロバイダーに依存せずに自分自身の資産を管理できるようになることを目指しています。ただし、自己管理のストレージソリューションには、キーの紛失や盗難といったリスクが伴うため、注意が必要です。

この問題を解決するため、多くの企業がシードレスの自己管理型ウォレットや、耐火性の金属板などの物理的なバックアップソリューション、またはShamir Backupといった高度なバックアップ方法を導入しています。

Ledger Recoverの現状

2023年には、Ledgerがクラウドベースのオプションである「Ledger Recover」を有料で導入しましたが、第三者の懸念から一時停止しています。しかし、同社によれば、Ledger Recoverは順調に推移しており、新規ユーザーが増える中でLedgerエコシステムは成長を続けています。