StablRとOobitの新たな取り組み
テザーを支援する企業であるStablRとOobitが、ヨーロッパ全体に向けてMiCA(暗号資産市場規制)に準拠したステーブルコインソリューションを提供する新たな取り組みを発表しました。この動きは、EU市場における暗号資産に関する規制枠組みが強化される中で実現しました。
主要取引所における影響
これに伴い、BinanceやKrakenといった主要取引所では、米ドルと連動するテザー(USDT)の上場が廃止されました。規制の整合性を重視するStablRは、EURR(ユーロ連動)及びUSDR(米ドル連動)の2種類のステーブルコインを発行します。これらの資産は、テザーの新しいHadronプラットフォームを通じてトークン化され、完全な資産バックと定期的な監査を行い、MiCAの要件を満たすように設計されています。
Oobitの資金調達と特典
さらに、Oobitは最近、シリーズA資金調達で2500万ドルを調達し、これらのステーブルコインを自社の暗号決済プラットフォームに統合する計画です。顧客の採用を促進するため、OobitはEURRまたはUSDRでの取引に対して5%のキャッシュバックを提供しています。
暗号決済の実際の用途
同社によれば、EU内での暗号決済の約70%は、食料品や基本的な商品などの日常的な用途に利用されています。このコラボレーションは、ステーブルコインを単なる取引ツールとしてではなく、主流の決済手段とすることを目指しています。
「これは、暗号を主要な交換手段にするという私たちの使命にとって重要なステップです」とOobitのCEO、アムラム・アダールは述べています。
需給のギャップと市場の需要
この発表は、USDTの上場廃止によって生じた需給のギャップを解消し、2024年末時点でユーロ連動の資産が4億ドル以上と評価されるステーブルコイン市場におけるコンプライアントな代替案への需要が高まっていることを反映しています。暗号決済が人気を集め続ける中、StablRとOobitのパートナーシップは、ヨーロッパにおけるデジタル通貨の規制された実世界利用の拡大を示しています。